4月15日(日)に行徳野鳥観察舎にて桜の花の観察会が開催されました。
桜シーズン終盤に桜の花の観察会?と思われるかもしれませんね。
実は鳥獣保護区内では鳥たちが運んできた桜が200本以上も自生し、しかもひとつひとつ微妙に姿かたちが違うそうです。
ということで、一風変わったお花見体験してきました!
10:00ちょうどに野鳥観察舎前を出発し、保護区内に突入しました。
参加者は約80人。いつもの観察会よりはるかに集まっています。
遠くに見える木々はほんのり桜色。
これからあそこまで行くのですね。
早速出入り口近くの水路に1本の桜を発見。
尋ねてみたらオオシマザクラ系ではないかとのこと。
草むらを進んでいくと…ところどころで出会う多彩な表情の桜。
花のつき方や花びらの形など、それぞれ微妙に異なっています。
オオシマザクラと断言せずに「系」をつけるのには理由があります。
保護区内の桜は一部の植樹されたものを除き、すべて鳥たちにより運ばれたもの。
受粉するには異なる木のおしべとめしべが必要で、また突然変異もしばしば生じるため、木によって花の形状などが違ってくるのです。
ひとつひとつ個性がみられるなんて、まるで人間のようですね。
ほら、近くで見ると花びらの切り込み具合などが違うでしょ。
ちなみにソメイヨシノは人間の手により接木され増やされるクローンのため、このような自然な形では繁殖されないそうです。
それで保護区内にはソメイヨシノが見当たらないのですね。
異なる系統の桜の競演。開花時期にもずれがみられます。
進むところかならず桜あり。大木から若い木までさまざまです。
春の兆しは桜だけではありません。
渡り鳥が旅立った空をツバメが飛び交うようになりました。
外来種のセイヨウタンポポに押され、いまや希少種となった在来種のカントウタンポポ。
花の下側にある緑色のガク(総苞外片)が反り返っていないのが日本のタンポポ、反り返っているのがセイヨウタンポポです。
春先から初夏にかけ、保護区の地面いっぱいに広がるムラサキサギゴケの花。
このときはまだ咲き始めのようで、これからもっとたくさんの花を咲かせるそうです。
茎をかじると酸っぱいイタドリ(左)と、春に小さな紫色の花を咲かせるヒメオドリコソウ(右)。
つくし発見!
この場所は生えるのが遅いそうで、確かにまだ若いものが多いですね。
洗面器の中におたまじゃくし。
クロベンケイガニの穴。そろそろ地上に出て活発に動き出す頃かな?
新しい季節が動き出したことを身体中に感じた約90分の観察会。
たくさん歩いて健康的な休日を過ごせました。
野鳥観察舎に戻ったら、ちょうどカモメの餌やりタイム開始。
どこかで見たことある(←あえてぼかします)パンをちぎって空中へGO!
カモメにキャッチさせるのは意外と至難の業でした…。
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みどりの国にも桜が自生しています。
光の差す水路際に根付いたものが育っているようです。
みどりの国は土日祝の9:30-16:00に限り開園しています。
埋め立て工事終了後(昭和49年頃)の何もなかった土地から、鳥たちによってもたらされ大きくなった森。
保護区内の湿地帯とはまた違った発見があるはずです。
行徳野鳥観察舎 ※新観察舎「あいねすと」の情報
千葉県市川市福栄4-22-11
TEL:047-702-8045
9:00-17:00
月曜休(月曜日が祝日の場合は翌平日休)
野鳥病院・自然観察会についてはこちら→認定NPO法人 行徳野鳥観察舎友の会
行徳野鳥観察舎の地図
▼観察会レポートはこちら : 2013年4月 2006年6月
▼桜の花の観察会レポートはこちら : 2015年 2012年
▼旧行徳野鳥観察舎休館前最後の日レポートはこちら
▼旧行徳野鳥観察舎解体直前やちょかん祭りレポートはこちら
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