台湾生まれの人気アパレルブランドのウェアと台湾茶に癒される空間が行徳にあります。
オープンは月に2日間。
うち1日は台湾茶会(有料・茶菓子付き)が行われます。
日々の喧騒から離れて至高なひとときを体感してきました。
■行徳の片隅にある癒しの空間
ヂェン先生の日常着を台湾から輸入して販売しているANANDASIA(アナンダジア)。
普段は通販や展示会出展メインの販路ですが、月に一度アトリエオープンデイとして開放されています。
場所は行徳駅から徒歩5分ほど、京樽とマツキヨの間の通りを海側に直進し、タイ料理店トムヤンクンの角を右折してすぐの半地下になっている建物2Fになります。

アトリエの中に入ると穏やかな癒しの空間がそこに。
オープンデイ以外の日はここで通販の梱包作業などが行われているとのことですが、その様子が全く想像できませんね。

■台湾茶の奥深い世界をじっくりと
アトリエオープンデイ2日目の土曜日に開催される台湾茶会。
5月の茶会に参加したときの様子をお伝えします。
台湾茶の茶器や茶道具がセッティングされているテーブル。
座席にはお茶菓子が用意されています。
さりげなく花が飾られたやわらかい雰囲気の空間が広がっています。

茶会で出されるお茶は2種類。
メインとなる1種類目のお茶からいただきます。
今回1種類目のお茶は柚花烏龍茶(ヨーホーウーロンチャ)。
宜蘭冬山(イーラントンシャン)産の烏龍茶と文旦の花(柚花(ヨーホァ))を一緒に乾燥させた、柚花の香り豊かな茶葉です。
このとき使用されるのは半開きの花。
摘むタイミングと乾燥加減を見極めなくてはならない手間のかかるお茶なのですね。
淹れる前の乾燥した茶葉からほんのりと良い香りが感じられました。

茶葉と沸騰したお湯を茶壷に入れて蒸らします。
このとき茶壷の上からも熱湯をかけて、急須の外からも蒸らすようにします。
台湾茶の茶壷は日本茶の急須よりも小ぶり。
材質によってお茶の香りと味わいに影響を与えるため、お茶の特徴に応じて茶壷を選択するのだそうです。

淹れたお茶を茶海と呼ばれるピッチャーに移します。
これにより均等にお茶を注ぎ分けることができます。
茶壷よりも少し大きめで開口部が広い器です。

茶海に移したお茶を茶杯に注ぎます。
ちなみに茶器を載せている台は茶盤と呼ばれているもの。
茶器を温めた後に捨てたお湯を受け止めてくれる優れものアイテムなのです。
茶壷の上からお湯を流しかけるときも、これがあるとテーブル上で完結できて便利。

1煎目のお茶をお菓子と一緒にいただきました。
華やかな文旦の香りが広がり、烏龍茶の強い風味にも負けずと劣らず調和している印象のお茶です。
ほんのり柑橘系の甘みも感じられました。
今回の茶菓子は金桔地瓜酥(ジンジーディグァスー)。
金柑とさつまいもを伝統的な製法で仕上げた昔懐かしい台湾のお菓子です。
金柑の甘酸っぱい香りとさつまいものやさしい甘さが絶妙なバランスで融和。
ほくほくしたさつまいもにカリッとした食感が加わりリピートしたくなる美味しさ。
和菓子にありそうでない素朴な味わいでした。

2煎目3煎目ともなると第一印象ほど華やかな柑橘の香りはありませんが、1煎目にみられた烏龍茶の尖りも和らぎ、まろやかな口当たりに変化していました。
台湾茶は煎ごとに味わいが異なり何杯でも飲めるのが特徴です。
淹れた後の茶葉を見せていただきました。
茶葉が大きく広がり、花びらも存在感を増しています。
台湾茶の乾燥した茶葉はとても小さく丸まったものが多いのですが、淹れた後には何倍もの大きさに広がり同じ茶葉とは思えないほどです。

茶葉を変えての2種類目。
台湾四大銘茶のひとつ文山包種茶をいただきます。
文山包種茶は緩く揉まれ軽めの発酵で爽やかに仕上げたお茶。
花のような香りと日本の緑茶にも似たすっきりとした風味は、台湾茶ビギナーの日本人にも受け入れそう。
茶菓子のパイナップルケーキは前週買い付けに行かれたオーナーさんの台北土産。
さっぱりとした味わいのお茶がパイナップルケーキの甘酸っぱさとよく合います。

文山包種茶の産地、新北市坪林の文山包種茶牛軋糖(ヌガー)もお茶の香り豊かで美味。
台湾のヌガー大好きで台湾行くたびに買いますが、文山包種茶のヌガーは今まで見かけたことありませんでした。たぶんレア。

煎じた後の茶葉をそれぞれ並べてみました。
どちらも大きく葉が広がっていますが、比較すると豆粒のように小さかった柚花烏龍茶(右)がお湯により数倍もの大きさに変化したのがよくわかります。

■色彩の豊かさに感動ヂェン先生の日常着
台湾好きな方なら一度は耳にしたことがある人気アパレルブランド、ヂェン先生の日常着。
幅広い年代に合う着心地の良い衣服は、流行を追わないシンプルなデザインながらも鮮やかな染色が唯一無二の魅力。
台湾好きの自分もずっと気になっていましたが、台北郊外のアトリエに向かうのはアクセスや言葉の面で大変ハードルが高く躊躇していました。
それが地元行徳で試着購入できるなんて!
ヂェン先生の日常着はなんといっても色彩の豊かさが魅力です。
ここ行徳のANANDASIA(アナンダジア)アトリエに並ぶ光景はまるでカラーパレットのよう。
思わず見惚れてしまいます。

レディースが中心ですがメンズやキッズも取り揃えられています。
着こなし方によってはセミフォーマルにも対応できて、幅広い着こなしのアレンジも可能。

自分も4月オープンデイにておひとつ購入いたしました。
蒸し暑い日本の夏に活躍しそうなワイドパンツ。
絶妙な染め加減のピンクが女心をくすぐります。
これが初めてのヂェン先生の日常着デビュー。
着るのが楽しみです。

■心地よいものに囲まれるひとときを
台湾好きのわたくし。
好きなものにまつわる場所が地元にあることに驚きを隠せず、つい思い入れ多々なレポとなってしまいました。
鮮やかながらも落ち着いた雰囲気のアトリエは、ステレオタイプな中華テイストの台湾とはまた異なる印象です。
お茶やファッションに興味がある方なら台湾好きでなくとも親しめるのではないかと思います。
次回2025年6月のアトリエオープンデイは6月27(土)・28(日)、茶会は6月27日。
詳細やお問い合わせはANANDASIA(アナンダジア)のSNS(Instagram・Facebook・Twitter)をご参照ください。
ANANDASIA(アナンダジア)
市川市行徳駅前2-9-26-201
アトリエオープンデイは月1回2日間のみ。
日程や料金等はANANDASIA(アナンダジア)のInstagram・Facebook・Twitterにて