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相之川日枝神社大祭|6年ぶりの神輿渡御は軽快なリズムでにぎやかに

相之川日枝神社大祭|6年ぶりの神輿渡御は軽快なリズムでにぎやかに

6年ぶりに開催された相之川日枝神社大祭
本来なら3年前の2022年にも実施されるはずでしたが、当時はコロナ禍の最中。
お隣の四ヶ村とは対照的に、相之川では本祭中止を選択しました。
それから3年、ついに相之川日枝神社大祭が6年ぶりに催され、以前の賑わいを取り戻したのです。

同日開催の四ヶ村と相之川の祭り。
似ているようでも担ぎ方などに違いがみられます。
ここでは相之川、四ヶ村はこちら(近日公開予定)の記事にまとめました。

6年ぶりに威勢よく宮神輿が出発!

10月12日の朝10時前。
南行徳駅ロータリーでは、神輿渡御を前に風陣太鼓による演舞が行われていました。
6年ぶりの神輿渡御を盛り上げる力強い和太鼓の音色です。

10時を少しだけ過ぎて2基の宮神輿が出発。
さまざまな法被をまとった男女の担ぎ手たちが進み始めました。

大神輿に続いて中神輿も渡御開始。
こちらも同じく男女混合ですが人数が少ないですね。

南行徳駅を後にした宮神輿は相之川4丁目からバイパス方面へ向かっていきました。

鳴り物や掛け声のテンポに合わせ、時折ノリノリで拳をあげる担ぎ手や音頭取り。
小刻みに神輿を揺らしながら進む様子は江戸前担ぎの影響大。
行徳地区ではここ相之川と昨年実施の新井の2箇所のみです。

2基の宮神輿が町をかけめぐる

四ヶ村の欠真間から相之川に戻った正午前。
相之川2丁目の了善寺付近で休憩中でした。
ここで宮神輿2基の紹介。
屋根の巴紋が3つの大神輿は作者や製作年は不詳ですが、姿かたちから後藤直光作ではないかと推測されています。
台輪寸法三尺五寸となかなかの大きさ。

巴紋1つの中神輿は浅子周慶作。
製作年不詳とのことで何代目かは不明です。
台輪寸法一尺五寸と小ぶりですが、浅子型鳳凰とよばれる大きく羽を広げた鳳凰の姿が印象的です。

宮神輿には日枝神社と香取神社の提灯が掲げられていますが、香取神社というのは四ヶ村の香取神社ではなく今井橋のほとり(相之川1丁目)にある香取神社のこと。
江戸時代に今井の渡しの権益が相之川に移された際、江戸川区の上今井香取神社から分祀され創建した小さな神社です。

休憩を終えて宮神輿の渡御復活。
相之川の香取神社に向かってからお昼休みに入ります。
自治会神輿渡御を行った後、午後の部復活は踊りのパレードから。
山車や子供神輿に続いて宮神輿が日枝神社へと向かいます。

宮入りに向けて高揚する空間

しばしの間四ヶ村の神輿渡御を見物し、相之川に戻ってきたのは16時半頃。
日枝神社境内には立派な大幟が掲げられていました。
行徳の神社で大幟を見るのは珍しく、ここ日枝神社でもおそらく今回の祭りが初めてになります。

向かいのファミリーマート脇の歩道では屋台出店中。
美味しそうな匂いと煙にそそられます。

行徳街道を直進していた宮神輿は17時前にはセントラルスイムクラブ南行徳付近に到達。
日枝神社まであと少しです。
軽快なリズムで担ぐ様子は行徳もみとは大違い。

街道沿いの住宅前に神輿を向けて、まるで宮入りするかのような動きを見せています。
もちろん中には入りませんが、ちょっとした笑いが起きてなごやかな光景。

手拍子とともに聴こえるマエダマエダの掛け声。
唐突に浦安の影響が入ってくるのに驚かされました。
直前まで欠真間の神輿渡御を見ていただけに、道一本隔てた隣同士で神輿渡御の光景が全然違うことに興奮します。

空色が徐々に変化するにつれ、ライトアップされた宮神輿が輝きを増してきました。

夜空に包まれ始めた17時45分過ぎ。
日枝神社前に到着した宮神輿は向かいのファミリーマート駐車場へ。
休憩を経ていよいよ宮入りにむけてのラストスパート開始です。

日枝神社境内では風陣太鼓の勇ましい音が響き渡り、さらなる臨場感増し。
太鼓に合わせて踊る子供たちの姿に癒されました。

時刻は間もなく18時。
先に中神輿が日枝神社境内へ入りました。

続いて大神輿も境内へ。
この時点ではじらしたりせず、すんなりと入っていくのが四ヶ村との違い。

しかしそこから先が長いのです。
むしろここからが宮入り前攻防の本番といったところ。

笛や太鼓の響きと高揚するいっぽうの掛け声。
呼応して小刻みに揺らされる宮神輿。
この臨場感は現場で実感するのが最善ですが、一部だけでも動画でお裾分け。

進んでは戻るの繰り返し。
拝殿前にはなかなか到達しようとはしません。
戻ろうとして向きを変えるときに地すりやさしなどの所作はなく、行徳担ぎとは異なることをここでも認識させられます。
行徳や浦安がブレンドされたような相之川流ともいえる独特なもみ方があるものの、行徳担ぎに比べると目にする機会は圧倒的に少ないです。

18時10分過ぎ、ついに宮神輿が拝殿前へ到達。
そこでも手拍子や笛、大歓声が鳴り響く中、担ぎ手たちが動き止めることはなく。
しばしの喧騒を経た後、拍子木の合図とともに宮入りとなりました。

続いて御霊抜きの神事が厳かに執り行われました。
6年ぶりの神輿渡御、大変お疲れ様でした!

江戸前担ぎの神輿渡御も神輿のまち行徳の一面

行徳地区で唯一神主さんが常在する相之川日枝神社。
神輿のまち行徳でありながら、神輿渡御においては江戸前の流儀で行われます。
脇道を隔てた欠真間とは担ぎ方や担ぎ手の構成などが異なるのも興味深い一面です。

3年前はコロナ禍による中止、前回2019年も台風通過後の影響で大幅に縮小されたことを振り返ると、天候や社会情勢に振り回されずに実施されたことに感謝の念を抱かざるを得ません。
次回3年後2028(令和10)年の大祭を楽しみに、祭りの伝統が続くようにと心から願っています。

相之川日枝神社大祭(四ヶ村例大祭)レポートはこちら :2025年(相之川) 2022年(四ヶ村のみ) 2019年(四ヶ村・相之川) 2016年(四ヶ村・相之川) 2013年(四ヶ村・相之川) 2010年(四ヶ村・相之川) 2007年(四ヶ村・相之川)

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