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四ヶ村香取神社例大祭・相之川日枝神社例大祭|神輿の街行徳で担ぎ方の違いを見比べる

四ヶ村香取神社例大祭・相之川日枝神社例大祭|神輿の街行徳で担ぎ方の違いを見比べる

四ヶ村香取神社例大祭最新レポはこちらになります→2022年


神輿のまち行徳を謳っているように、毎年10月のこの時期は行徳地区のどこかで必ず神輿が出ているイメージですが、それぞれの祭りにおいて本祭が行われるのは3年あるいは4年に一度。
今年は前週の伊勢宿豊受神社に続き、四ヶ村と相之川日枝神社の例大祭が催されることになっています。

10月13日の日曜日。
前日の宵宮を経て本祭当日であるこの日は神輿渡御が行われるはずなのですが、前日にまさかの台風19号直撃。
行徳界隈では幸い大きな被害は出なかったものの、宵宮中止に続き翌日の本祭も開催されるか予断を許さない状況でした。
しかしながら予定変更はあったもののどちらの祭りも神輿渡御は無事開催。
台風一過の青空の下、3年ぶりに四ヶ村の各町と相之川に神輿が練り歩くこととなりました。
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相之川日枝神社例大祭の神輿は賑やかに、生きる力をいただく

相之川のお祭りは前日12日の宵宮が台風19号により中止となり、翌13日の本祭は午後からの開催と短縮され、神輿渡御は今井橋交番から行徳街道を中心としたルートに割愛されました。

青空広がっているとはいえ、台風通過後で水量を増したままの旧江戸川のほとり。
10月中旬とは思えない暑さのなか、14時の神輿渡御を前にお囃子と踊りのパレードがスタート。
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しばらくして神輿渡御も始まりました。
揃いの法被姿でリズミカルな動き。男女混合で担ぎます。
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相之川日枝神社は行徳地区で唯一神主さんが常駐している神社。
神輿渡御にも神職の方が帯同し、榊の葉をつけた大麻(おおぬさ)でお祓いしながら歩んでいます。
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相之川日枝神社例大祭と銘打っていますが、祭りのポスターや宮神輿の提灯には香取神社の名前も記されています。
そんなわけで初めて訪れてみました相之川香取神社。
今井の渡しの水上安全祈願を行う祠として江戸時代には存在していたといいます。
今井橋のふもとにたたずむこぢんまりとした神社で、鳥居や拝殿は簡素なものですが、きちんと管理されていることがうかがえます。
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行徳街道沿いのコンビニくらしハウスに展示されていた相祭會の紅白神輿。
ふだんは市川市行徳ふれあい伝承館(旧浅子神輿店)に展示されていますが、このお祭りのために里帰りしたのでしょうか。
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四ヶ村例大祭はシンプルな白装束姿と豪快行徳もみ

さてここで一旦相之川から離れ、四ヶ村例大祭へ。

静かに宮入りのときを待つ香取神社。
塀に四ヶ村の町名が刻まれているのですね。
今まで気がつきませんでした。
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香取神社の宮神輿はどのあたりにいるのでしょう。
15時をまわり湊新田から湊へと引き継がれるはずですが、全然来ませんね。
湊の方々も待ちわびているようです。
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しびれを切らした頃に現れた宮神輿。
ここで引き継がれるはずですが、スムーズにいくわけないのがお約束。
このやりとりも見所のひとつではあります。
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幾度かの行徳もみと後戻りを経て、宮神輿はようやく紫帯の湊新田から白帯の湊へ。
高らかに神輿を「さし」。これから湊の町内をめぐります。
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伝統的なものもいまどきなぬいぐるみ満載のものも、どちらも可愛らしい湊の子供神輿。
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湊の町会神輿は女性が担ぎ手の中心。
女神輿といえども、行徳の流儀にならってもむのは例外でなく。
「ほうり」もきまってただただ格好いい。
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行徳駅に向かう通りに差し掛かり、高らかに「さし」を決める二基の神輿。
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ここで引き返すのかと思いきや、なんと押切稲荷神社前を通過。
まさか駅に向かうのかと驚いたのですが、行けるのはバイパスの手前まで。
再び湊に戻りました。
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しかしやはりコース逸脱してみたいものなのですね。
女神輿まで突破試みているし、果敢ですな。
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隣同士なのに担ぐ様子が全く異なる四ヶ村と相之川

行徳では神輿を担ぐことを「もむ」と呼びます。
さらに見せ所といえば、時折歩みを止めて行う独特の所作。
最初に地面すれすれまで神輿を下げて回る「地すり」。
頭を観衆、お尻を神輿に向け後方で神輿を支える過酷な姿勢。
なお相之川や新井熊野神社の祭りでは、頭とお尻の向きが逆になります。
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続いては神輿を高く掲げて伸ばした片手で支える「さし」。
軽々と差し上げているように見せながらも、身体には多大な負担がかかります。
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最後に「ヨイヨイヨーイ!」の掛け声とともに神輿を宙に浮かせて受ける「ほうり」。
神輿を胴上げしているようなイメージでしょうか。
投げてから受け止めるまでのわずかな時間に手拍子打つのも欠かせません。
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ここで行徳もみの四ヶ村と江戸前担ぎの影響を受けている相之川との比較をしてみましょう。
白装束に女人禁制(今年の伊勢宿では男女混合で担いでました)の行徳もみと、法被姿に男女混合の江戸前な相之川。
前者は事あるごとにもみたがるのに対し、後者はもみの所作が行われる機会が少ないのも対照的。
地すりの姿勢もそれぞれ異なります。
今回相之川でもむ様子を見ることができなかったので、担いで歩いている様子の比較を動画にて。

法被と白装束の境界!相之川に欠真間の町会神輿あらわる

17時半を過ぎ少しずつ暗くなりつつある空。
そろそろ相之川の宮神輿が宮入りする頃かと日枝神社前に向かってみたら、なんとその手前である欠真間との境界付近に、欠真間の町会神輿が現れました。

白装束をまとった欠真間の担ぎ手たちがもみを行う様子を、法被を着た相之川の担ぎ手たちが見守っています。
それこそ道1本隔てただけで、神輿渡御の世界が変わることが実感できた瞬間。
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この地点から先には進めないはずですが、どういうわけか相之川日枝神社へ向かおうとする欠真間の町会神輿。
まさか宮入りするつもりじゃ?! もちろん阻止され未遂とあいなりました。
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とにかく賑やか!相之川の宮入り

そんなカオスな状況の中、相之川の宮神輿もにぎにぎしく渡御再開。
目の前のファミリーマート駐車場からとわずかな距離ですが、そう簡単に宮入りするわけがありません。
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と思いきや、町会神輿に続いて宮神輿もあっけなく境内へ。
数回の宮入り阻止はあったものの、意外にあっさりとしたものでした。
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しかしその後が長丁場。
まだまだ祭りは終わらないとばかりに、宮神輿も町会神輿も小刻みに揺らされ、歓声と笛の音が境内に響き渡っています。
テンションはますます上がり、躍動感は最高潮!

行徳もみで魅せる!四ヶ村宮入り

相之川の宮入りを見届けて、お次は四ヶ村の宮入りを見物に。
時刻は18時半を少し過ぎた頃。
宮神輿は香取神社前に到達しており、大勢の見物客に囲まれながら宮入り前のもみの最中。
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「地すり」「さし」「ほうり」ときて境内突入に挑むところでバス接近。
咄嗟に車道から押し込もうとするお巡りさんの動作が、宮入りの手助けしているかのようにも見えてしまう混沌さ。
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こちらも数回の宮入り攻防を経て境内へ。
相之川ほどではないですが、わりとあっさり宮入りいたしました。
警備上の理由でしょうかね。
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しかしこちらもここからが長丁場。
いやむしろ境内入って鳥居くぐるまでが宮入り本髄なのかもしれません。
なかなか鳥居の中に入ろうとはせず、参道でのもみが繰り返されています。
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臨場感と担ぎ手と見物側との一体感に包まれる中、「ほうり」を決めて鳥居に突入するかの瞬間、さらにその結果をご覧ください。

鳥居の中に入り最後のもみ。
雲の隙間から見える満月近い月明かりに神輿が照らされ、幻想的なものを感じました。
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相之川日枝神社例大祭・四ヶ村例大祭ともに次回は3年後の2022年。
担ぎ手や関係者の皆様お疲れ様でした!

四ヶ村例大祭レポートはこちら :2022年 2019年 2016年 2013年 2010年 2007年(南行徳駅前のオープニングセレモニーなどご紹介)

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