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行徳回遊展 秋 行灯ライトアップを求めて夜のお寺めぐり

行徳回遊展 秋 行灯ライトアップを求めて夜のお寺めぐり

「行徳千軒寺百軒」の寺町に親しむイベントとして、毎年3月下旬に開催される寺のまち回遊展
ところが今年は残念ながら中止の憂き目に。
その後4月には行徳神輿ミュージアム、7月には行徳ふれあい伝承館が開館するなど、神輿の街行徳にランドマークが続々誕生いたしました。

そこで今年は、寺のまち回遊展に代わるものとして、行徳回遊展 秋が登場。
小規模な催しとのことですが、手作り行灯に彩られた寺院などをまわる、秋の夜長にうってつけのイベントとなりました。

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秋らしく過ごしやすい週末日和の11月10日土曜日。
行徳回遊展 秋はお昼時から開催されていたのですが、残念ながらお昼のイベントへの参加は間に合わず。
圓頓寺の「スマホでまちあるき」行きたかったなあ。

ライトアップ前に行徳の神輿と塩づくりについての学習

17時からのライトアップを前に、閉館間際の行徳ふれあい伝承館へ駆け込みでお邪魔しました。
8月の行徳大人のまちたんけん企画以来の再訪です。
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道越しに見える二基の神輿は、なんと所有者の方(相之川で活動されている相祭会さん)の許可が得られれば貸し出し可能とのこと。
とくに赤屋根に白漆塗りの神輿はたいへん珍しく、紅白で縁起が良いことから慶事で重宝されるそうですよ。
今年のGWと7月に開催された南行ホコ天で展示されていたのもこの神輿。
白塗りに差し色の赤が絶妙な鳥居に美意識を感じます。
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大きく翼を広げた浅子式鳳凰には稲穂が添えられています。
この稲穂は五穀豊穣を願うもので、毎年秋に交換されています。
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今回行徳ふれあい伝承館ではライトアップへの参加はしていませんが、回遊展にちなみ塩作りに関する特別展示が行われていました。
こちらは市川歴史博物館所蔵の塩作りに関連する道具。
行徳の製塩は干満の差を利用して海水を引き入れた塩浜法にて行われ、ザルを用いた笊取法によって塩水が採取されていました。
左側の細長いものは土木作業に使われる鋤(すき)の一種で、行徳ボソと呼ばれていたもの。
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初公開スポットも。ライトアップされた行徳の旧家めぐり

お向かいの無料お休み処で休憩した後は、ライトアップの街歩き。
最初に訪れたのは加藤家住宅
明治時代に建てられた加藤家住宅の主屋は、有力塩問屋の繁栄を物語るような木造和風家屋とフランス風煉瓦塀の融合が特徴。
2010年には行徳初の国登録有形文化財となりました。
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今回はおそらく初の主屋内部公開。
現在は主屋とつながる増築部分で生活されているとのことですが、整然としつつも適度に生活感が残され感慨深いものがあります。
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掛け軸の絵画は塩田広がる昔の行徳を描いたもの。
行徳街道に面した出窓脇の扉には雨戸が収納されています。
その他にも柄の異なるすりガラスを組み合わせた引き戸や、現在使用していない保存用のトイレの便座が花柄の陶器製に付け替えられていたのが印象に残りました。
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続いては田中邸
こちらは寺のまち回遊展などでギャラリーとして時折開放されています。
今回は陶芸展が催されていました。
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ふと目線を天井のほうへ向けてみると、家紋の入った木箱がずらり。
これは提灯箱というもので、収納されている提灯は今もお盆などで使っているそうです。
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手作り行灯でライトアップされたお寺に心がなごむ

さてここからはいよいよライトアップされたお寺めぐり。
建物公開見てたら時間なくなってしまったので急ぎ足でめぐります。

ライトアップを行っているのは、行徳街道とバイパスの間にある権現道沿いのお寺。
行徳から妙典方面へ歩くことにします。

最も行徳寄りに位置する関ヶ島の徳蔵寺
門前に大きな提灯が掲げられています。
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近づいてみるとこの提灯、関ヶ島のお祭りで飾られていたものですね。
子供たちの祭りや地域に対する思いが伝わってきます。
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徳蔵寺は天正3(1575)年に建立された真言密教寺院。
密教のお寺らしく、護摩修行や仏画と梵字の講座も定期的に催されています。
境内にはまだ新しそうな除夜の鐘。
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続いては本行徳の日蓮宗寺院本久寺
眼の神様である日朝上人を祀っていることから、眼病平癒祈願のお寺として知られています。
毎月8のつく日には浅子周慶作の鬼子母神像がお開帳されます。
行徳回遊展 秋では、写経体験や住職のお話といった催しが行われました。
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権現道は徳川家康が東金まで鷹狩りへ行く際通ったといわれる石畳の道。
住宅街のひっそりとした裏道としての現在の姿からは想像もできませんが、権現様(徳川家康)ご一行が連なって歩いたときはさぞかし大仰なものだったことでしょう。
時折鍵の手に曲がっているのは、権現様が使った道としての名残でしょうか。
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芝増上寺の末寺でもある浄土宗寺院の浄閑寺
今回のイベントでは行徳に関する著書を多数出版されている鈴木和明氏の講演会が行われました。
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中山法華経寺の末寺である日蓮宗寺院の圓頓寺
名物のしだれ桜は咲いていませんが、鐘のような形をした本堂の小窓が可愛い。
行徳回遊展 秋「スマホでまちあるき」企画はこちらで開催されていました。行きたかったなあ。
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房総唯一とされるキリシタン灯篭が建つ日蓮宗寺院の妙覚寺
境内をしばらく歩くと本堂が現れました。
ライトアップ前にはノルディックウォーキングの体験レッスンが行われました。
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本堂への階段脇では鮮やかなライトアップ紙花。
他のお寺にはなかった演出。
点滅するたび魅せるさまざまな表情がとても綺麗でした。
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ライトアップに使われた行灯は、11月11日の介護の日にちなみ、てらまち会とデイサービス利用者の方々による手作り。
LEDライトを障子紙に色づけして丸めたもので包んであります。
なぜここに?!季節の植物や行徳風景の絵の中に紛れ込むサンタクロース!
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権現道から妙覚寺本堂へ向かう場合、キリシタン灯篭から墓地を通り抜けることになります。
そこでまさかの墓地ライトアップ!
しかもライトのカラーバリエーション豊富。
これにはたいへん驚かされました。
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いよいよお寺めぐりの終盤、寺町通り沿いの長松寺
臨済宗の禅寺とあって、昼間は座禅体験が催されました。
そのときには虚無僧による尺八演奏もあったそうですよ。
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豊受神社神明宮にて五ヶ町祭りの神輿ライトアップが行われていたのですが、残念ながら時間切れ。
ライトアップなど全くなかったかのような、ひっそりとした静けさに包まれていました。
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寺のまち回遊展の代替イベントとして開催された今回の行徳回遊展 秋。
夜が長いこの時期ならではの美しいライトアップを堪能することができました。

寺のまち回遊展レポはこちら:2017年 2016年 2015年 2014年 2013年 2012年 2010年
行徳回遊展 秋レポはこちら:2018年
妙典街回遊展レポはこちら:2013年
行徳街回遊展レポはこちら:2007年

市川市による行徳の歴史紹介はこちら

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