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下妙典春日神社祭礼|やんちゃな獅子頭が6年ぶりに妙典を練り歩く

下妙典春日神社祭礼|やんちゃな獅子頭が6年ぶりに妙典を練り歩く

コロナ禍の中止を挟み6年ぶりに開催された下妙典春日神社祭礼。
関ケ島胡籙神社祭礼とあわせ、獅子頭が町をゆく祭りが同日に重なりました。
宵宮から獅子頭渡御をほぼフルで追いかけましたので、ぜひ最後までご覧ください。

エンタメ色濃厚な宵宮

10月12日土曜日の夕暮れ時。
関ケ島胡籙神社の宵宮を後にして、下妙典春日神社の宵宮へ。
こちらも多数の人々が集まり賑わっていました。

翌日の渡御を控え拝殿に飾られた獅子頭。
安政年間(1854~1859)に後藤直光により製作されたもの。
昨年約100年ぶりに大規模修繕が行われた際、金色だった箇所は本来の赤胴色へ塗り直されました。
昨年4月の修繕完了お披露目にて短縮ルートでの渡御が行われましたが、祭礼での渡御は修繕後初めてとなります。

境内や神社の脇道にはいくつかの露店が出店。
規模は小さいもののお祭りらしさが際立つ光景です。

祭り気分を盛り立てる末広太鼓の勇ましい演舞。

妙典囃子保存会・本塩囃子保存会によるお囃子と舞。
おかめとひょっとこの振る舞いが人間らしくとても可愛らしい。
獅子舞も登場するなど飽きることなく見入ってしまいました。

続いて地元密着演歌歌手の坂本りえさんオンステージ。
演歌だけでなくアニソンや往年の名曲と幅広いジャンルの曲を熱唱!
手作りうちわを手にしたファンの方々などが見守る中、パワフルで親しみやすいオーラただよう歌謡ステージが繰り広げられました。

この後は自治会員対象のビンゴ大会が行われ、翌日の本祭を前に大盛況でした。

妙典の町を獅子頭が生き生きと練り歩いた本祭

翌13日は6年ぶりの本祭。
午前中に神事が行われ、午後から夕方にかけて獅子頭が妙典の町を練り歩きました。

13時過ぎの下妙典春日神社。
出発の前に境内で雄雌の獅子頭のもみ披露。
向かい合って互いに近づく様子は、雄雌対にになっているからこその見せ場といえます。

いよいよ出発のとき。
「あんろー、わっしょい!」の勇ましい掛け声にのせて、雌が先に鳥居をくぐり、雄が後に続きます。

開始直後の大切な儀式。
上妙典(妙典1・2丁目)まで出向いて地境式が行われました。
下妙典(妙典3丁目)と上妙典の祭礼関係者が対面し盃を交し合います。
昭和の一時期には上妙典と同じ日に祭りが行われていたそうで、激しい喧嘩が繰り広げられていたのだろうと容易に想像できてしまいます。
その後上妙典の神輿渡御が長らく中断していたこともあり、令和の世では穏やかに式が執り行われました。

引き返して下妙典界隈を進み始める獅子頭……のはずが、また上妙典へ戻っていますね。

胴幕を広げて舞うような動きを見せるのも獅子頭ならでは。

お囃子の山車を子供たちが曳いています。
以前は子供神輿も担がれていた(2015年の本祭参照)のですが、今回は出番なし。
代わりに山車を曳く役目を担っているのだと思われます。

関ケ島と違い獅子頭は台輪に載せられ、担ぎ棒は親棒とトンボ(横棒)2本ずつ。
もみ方は行徳神輿に準じていますが「地すり」は浦安に近く、観衆に背を向ける姿勢で飛び跳ねながら一周します。

「さし」「ほうり」は行徳神輿と同じやり方。
「ヨイヨイヨーイ、ヨヨイノヨーイ!」の掛け声とともに獅子頭が宙を舞います。
見せることを意識してか、雄雌同時ではなく交互にほうり受けすることがほとんどです。

長らく女人禁制を続けていた行徳神輿の担ぎ手も、コロナ禍明けの祭り再開とともに女性を受け入れる傾向にあります。
ここ下妙典でも例外ではなく、今回初めて女性も獅子頭を担ぐことが解禁となりました。
渡御のところどころで雌の獅子頭を女性だけで担ぎ、もみの所作も一通り行います。
一昨年の四ヶ村や今年6月の浦安三社祭でも感じましたが、女性パワーをあなどってはいけませんね。

雄雌の獅子頭が横一列に並んだ瞬間。
男女それぞれ担ぐ様子は今までになかった光景でした。
時流の変化と担ぎ手不足がもたらした、新時代を物語るひとコマですね。

高架下を抜けてイオンに到着したのは14時半。
サークルデッキ下の交差点でのもみは大きな見せ場のひとつ。

妙典駅前ロータリーには15時頃到着。
巡行ルートが大幅に変更された前回2018年は踏み入れることができませんでしたが、今回9年ぶりにロータリー渡御復活です。
とはいえ2015年以前の恒例だった妙典駅改札突破の試みは固く禁じられ、ロータリーを周回するのみ。
この場所では2019年妙典まつり(そういえば今年は未開催?)以来の獅子頭渡御となりました。

ロータリー周回といえば交番突入チャレンジがつきものでしょうか。
ここも大きな見せ場のひとつといえますが、祭礼での警備上の制約が厳しくなる一方のご時世において、なかなかアグレッシブともいえます。
ちなみにコロナ禍明け以降、どの祭礼でもいえることですが祭礼警備が厳重化される傾向にあります。
今回の下妙典春日神社祭礼では獅子頭の後ろをパトカーが始終付き添っていました。

雌の獅子頭の担ぎ手が女性たちに代わり、イオン前に戻ってもみを披露。

東西線高架を越えて元ユニクロ前を通り過ぎる獅子頭。
6年間開催されなかったブランクを物語る光景がここに。
ユニクロ跡地にはマンションが建ち、1FにchocoZAPが入居しています。
前回開催当時はchocoZAP自体が存在していなかったのに。

長い休憩を挟んで妙典3丁目の住宅街を練り歩く獅子頭。
ここからは行徳バイパスを越えて進む予定ですが、東西線側へ引き返そうと抵抗しています。
当然阻止されてしまうのですが。

毎回渡御のたび生き生きと荒ぶる獅子頭ですが、今回はノリのよさも加わったもよう。
どことなく相之川新井の祭礼でみられるような江戸前の掛け声や手拍子も随所で見受けられました。
非公認かもしれませんが。

16時半をまわり獅子頭がついに行徳バイパス到着。
これまでも随所でやんちゃな仕草をみせていた獅子頭。
バイパスもすんなり渡り切るわけがなく、交差点上での前進攻防が繰り広げられます。
祭りの見どころのひとつでもありますが、当然渋滞が発生します。
警察官に見守られながらもなかなかの粘りをみせていました。

獅子頭の歩みは妙典3丁目の境界、徳願寺の手前まで。
時折戸建の軒先などに寄り道しつつ、寺町通りを進みました。

宵宮に引き続き、本祭の渡御にも帯同し活躍するお囃子の方々。
おかめのちょっとした仕草がつくづく愛らしい。

再び行徳バイパスを渡り帰路に着く獅子頭ご一行。
往路とは対照的に一発ですんなり通過しました。
この時点で既に日没過ぎた17時半。

これからは春日神社への一本道を進むのみ。
ここでお約束の店舗突入チャレンジ始まりました。
ローソン!ローソン‼︎

かさや!ラーメン‼︎
昭和28(1953)年の創業当時から、70年以上にわたって祭りを見守ってきた中華料理かさや。
ここも突入チャレンジの定番です。

春日神社前に戻ってきたと思いきや、雌の獅子頭は上妙典まで遠征に行ってしまいました。
オアシス妙典を通過し、上妙典八幡神社の参道前まで出向いたのですが、さすがにそれ以上は進めず引き返し。

春日神社前で対面した雄雌の獅子頭。
夜空の下でもみの競演が始まりました。

先んじて雄の獅子頭が宮入りを試みますが、境内に入れまいとする勢力とのせめぎ合いが発生。
ここから何度も攻防を繰り返し、宮入りしたのは結局18時半過ぎでした。

雌の獅子頭の宮入りを見守る雄の獅子頭。
宮入りは鳥居でなく手前の広場に入った時点をもってカウントされます。

その後は雌の獅子頭が宮入りを試みる番。
そのたびに何度も何度も境内への立ち入りを阻止されること30分弱。
19時になろうかとした瞬間、ついに宮入りの時を迎えました。

多数の観衆が見守る中、境内で雄雌の獅子頭がそろい踏みしてのもみ披露。

これにて6年ぶりの下妙典春日神社祭礼の本祭は終了。
お疲れ様でした。

獅子頭が町を渡り歩いた一日

関ケ島と下妙典にて奇しくも獅子頭の巡行が重なったこの日。
行徳神輿とは似て異なる担ぎ方を見ることができました。
また宵宮も華がありとても賑わっていました。

同日の関ケ島と同じく、宵宮から通して祭りを追いかけたのは今回初めてになります。
ほぼフルで2つの祭りを追いかけたいへん忙しかった一日でしたが、祭りを堪能した充実感に満たされました。

次回は3年後の2027年。
やんちゃな獅子頭が妙典を渡り歩く様子をまた追いかけたいものです。

下妙典春日神社祭礼レポートはこちら : 2024年 2021年は中止 2018年 2015年 2012年 2009年 2006年
下妙典春日神社獅子頭修復お披露目レポートはこちら : 2023年

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