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修復完了!妙典春日神社獅子頭お披露目

修復完了!妙典春日神社獅子頭お披露目

昨年より修繕に出されていた妙典春日神社の獅子頭。
このたび無事に修復完了し、お披露目のときを迎えることとなりました。
獅子頭の渡御も復活です。

100年以上ぶりの修復!蘇った獅子頭

前日までの高温から一転、肌寒い曇り空となった4月22日土曜日のお昼前。
妙典春日神社にはたくさんの関係者や観衆が集まっていました。

鳥居前に展示されていた雄雌の獅子頭。
おや……なにやら以前と雰囲気変わってませんか?
赤胴色というべきでしょうか、修繕前の金色に比べるとずいぶんと赤みを帯びています。

参拝しようとしたら関係者の方に声を掛けられ、拝殿の彫刻について説明いただきました。
右側には口を開けた獅子、左側には口を閉じた獅子が位置しています。
拝殿に向かう際は口を開けた獅子のいる参道の右側を歩いて(※)、参拝後願い事を口外しないよう左側に口を閉じた獅子がいるそうです。
いわば阿吽ですよと。
真ん中の龍については、龍は嵐を起こすといわれており、悪い病気などを龍が追い払うといわれています。
(※)Google先生によると左右どちらを歩くか諸説あるようですが、どちらにせよ真ん中を歩くのは避けたほうがよいとのことです。

渡御前の挨拶では、獅子の保存箱に明治10(1877)年と記載されていたとの説明がありました。
獅子頭は安政年間(1854~1859)に後藤直光により製作されたといわれていますが、安政3(1856)年の大津波により記録が消失したため正確な制作年等については不明です。
100年以上修繕されていないとのことなので、前回の修繕が明治10年だったということでしょうか。
またこのとき、渡御の際はバイパスへ行かないようアナウンスがありました。
バイパスで荒ぶる獅子頭は渡御での恒例行事みたいなものですが、ルール破りは次回以降の祭りに影響が出るとのことで、さすがにこれは死守せねばなりませんね。

それでは渡御開始です。
まずは神社境内でもみを披露。
砂埃が舞う中、神輿とは異なる所作のもみが繰り広げられました。
地面すれすれに下げる「地すり」では、観衆に背を向け飛び跳ねながら回るのが大きな違いです。

雄雌の担ぎ棒を交差させ押し合うのも獅子頭ゆえの所作です。

もみのクライマックスは神輿と同じく「ほうり」。
綺麗に決まってますね。
今回は女性の担ぎ手がおそらく初参加、男女混合です。

時刻は正午を少しだけまわったところ。
5年ぶりに獅子頭が春日神社を出発いたしました!

短縮ルートで渡御復活

今回の渡御ルートは春日神社からローソン前までの片道約200m。
旧成田街道を直進するだけの短い道のりです。

あっという間に折り返し地点のローソン前へ。
ここで曲がらないようバリケードが設けられていますが、おかまいなしに進もうとしていますね。
音頭取りが阻止しようとするところも含めてお約束です。

胴幕引っ張るのは獅子頭だからできること。
絶対に前進させまいという強い意志を感じます。

素直に折り返して、雌雄の獅子頭が揃っての「さし」。

……と思いきや、少しだけルート外れて中華料理かさやの前へ。
お店は臨時休業でした。

春日神社の前で再び雌雄の獅子頭が揃いぶみ。

これですぐ宮入りするわけがなく、また折り返して渡御を続けます。

休憩を挟んで春日神社前に戻ってきた雄の獅子頭。
ここで雌の獅子頭に先んじて宮入りです。あともう少しで13時になろうかというタイミングです。

かたや雌の獅子頭は宮入りしそうな気配全くありません。
時には胴幕を波打つようになびかせながら渡御を続けます。

一基になっても荒ぶり続ける雌の獅子頭。
担ぎ手たちもローソンから先へ行きたくてうずうずしているのでしょうか。

何が何でもバイパスを越えたいという強い意志すら感じますが(笑)、その願いが叶うことはなく。

路地へと入り込んだり、床屋やかさやの前に突っ込んでいきそうになったりと、少しばかりの脱線を試みる雌の獅子頭。
なんと住宅の玄関先まで入り込むことも。

予定時間も過ぎたことだし、雌の獅子頭も春日神社前に戻って宮入りするかなと見せかけて……。

いやいやもう少しけだ粘るようです。
お披露目に伴う簡易的な渡御とはいえ、宮入りを渋る所作は祭礼本番を見ているかのようです。
直後の「ほうり」も綺麗にきまっています。

13時20分過ぎ、宮入りチャレンジ3回目にしてついに雌の獅子頭も境内へ入りました。

最後に何度かもみを披露してこのたびの催し終了。
担ぎ手の方々はもう体力限界、「ほうり」の獅子頭も傾いているようですが、最後の力を振り絞りもうひと頑張り。

13時半少し前に獅子頭渡御完了。
お疲れさまでした!

いつか本祭で獅子頭渡御が行われることを願って

100年以上の時を経て美しさを取り戻した獅子頭。
金色だった角や宝珠などが赤胴色に変更されていたのには大変驚かされました。

2018年を最後に本祭の渡御が行われておらず、2021年以降延期されたままですが、今年は5年ぶりに開催されるのでしょうか。
コロナ禍から明けつつある2023年、本祭が実施されて獅子頭が妙典じゅうを練り歩くことを期待しています。

妙典春日神社祭礼レポートはこちら : 2018年 2015年 2012年 2009年 2006年
妙典春日神社獅子頭修復お披露目レポートはこちら : 2023年

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