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妙典春日神社祭礼 渡御ルートが変わっても担げる獅子頭は自由自在!(2018年)

妙典春日神社祭礼 渡御ルートが変わっても担げる獅子頭は自由自在!(2018年)

行徳妙典界隈の祭りといえば白装束姿の男性たちが神輿を「揉む」のが定番ですが、妙典3丁目にある春日神社祭礼で担がれるのは獅子頭。
3年おきにしか見られない獅子頭の渡御もまた、神輿のまち行徳の歴史文化を伝えるうえで欠かすことができません。

さて3年ぶりの妙典春日神社祭礼本祭は10月14日の日曜日。
本格的な秋の訪れを実感させられるような、少し肌寒い曇り空のなか行われました。

渡御開始から30分強経過した14時少し前。
妙典駅近くの住宅街で最初の休憩中につき、雌雄の獅子頭はそれぞれ厚い座布団の上で鎮座中。
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耳がツンと立って一本角が伸びているのが雄、耳が倒れていて角が丸いほうが雌。
雄の獅子頭の鼻には妙典春日神社のお札、雌の獅子頭の鼻には榊の葉が供えられています。

「アンラー、ワッショイ!」
再開した獅子頭渡御は妙典中央通りからイオン方面へ。
ぎゃらりー三平と柿の樹が並ぶ道をゆく獅子頭。
この辺りは妙典なかなか小町と名づけられたエリアの一部。
妙典の開発に伴い誕生した比較的新しい景観ですが、それよりも前から存在していたかのような、統一感のある落ち着いた街並みが素敵。
獅子頭もこの景観に溶け込んで、いい雰囲気ですね。
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イオンのサークルデッキ下丁字路で向かい合う獅子頭。
ここで片方が前へ進もうとすればもう片方が後ずさりするかのような動きをみせたり、互いに接近し合ったり。
神輿と同様行徳揉みも。
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前回まではここから妙典駅ロータリーへ向かうのが常でしたが、今回は張り巡らされたロープにより通行止め。
それでもロープの先を進みたがる素振りを見せる獅子頭渡御ご一行様。
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どうやら今回よりここが折り返し地点になったようで、そうなるとおとなしく引き返す以外の選択肢はないもよう。
時折市川市コミュニティバスや自家用車が行き交う中、先ほどの道を進むわけですが…。
丁字路へ戻ろうとしたり歩道にむけ直進しようとする獅子頭の自由すぎる動き。
そのたび阻止されてはいますが、いやはや元気元気、荒ぶってますねえ。
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ではここで獅子頭の「揉み」について。
行徳神輿の「揉み」では担ぎ手は背中を神輿に向けて担ぎ棒の後ろに立ち「地すり」を行うのですが(昨年の五ヶ町祭りのレポをご参照ください)、妙典春日神社の獅子頭においては担ぎ手は頭を獅子頭に向けて立ち、飛び跳ねて獅子頭を上下に揺さぶりながらまわります(2009年のレポで動画載せてるのでぜひご覧ください)。
浦安三社祭で行われる「もみ」に近い動作ですね(比較として2016年浦安三社祭レポの動画をご覧ください)。
但し掛け声は行徳神輿の「地すり」と同じく「マワレ、マワレ」。
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片手で天に突き出してまわる「さし」は行徳神輿と同じ。
行徳神輿は24名で担ぎますが、獅子頭の担ぎ手は10名ほど。
ちなみに先週行われた関ヶ島胡録神社祭礼の獅子頭には担ぎ棒がなく、直接獅子頭を掴む形での渡御でした。
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最後に「ほうり」をきめるのは行徳神輿も獅子頭も一緒。
掛け声も「ヨイヨイヨーイ、ヨヨイノヨーイ!」と同じ。
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獅子頭の「揉み」は単独の場合もありますが、雌雄が向き合って行うことも。
「ほうり」のときは同時でなく交互になることが多いように見受けられます。
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これは「もみ」ではないのですが、雌雄の獅子頭を向き合わせることもしばしば。
少しでも近づけようと、前方の担ぎ棒を互い違いに入れ込ませています。
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行徳小学校前での休憩をすませ、さてこの後はいよいよ妙典駅行きかなと思いきや、渡御再開後の歩みは駅とは反対方向へ。
あっという間にバイパス越え、しかも前回までのように路上で「揉み」を行うこともなく、ずいぶんとあっさりとしたものでした。
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実は前回まで毎回のように行われていた妙典駅突入は問題になっていたそうで、今回からはイオン前を除き東西線高架よりも海側に足を踏み入れるのは厳禁となりました。
あのカオスな光景が見られなくなるのは正直名残惜しい気もいたしますが、その反面前回まで既成事実化していたとはいえよく行けたよなという思いも。
しかも今回は獅子頭渡御の最中に東西線が運転見合わせとなり、混乱している状況下の駅で獅子頭と鉢合わせていたらますます大変なことになっていたのではと想像できます。

寺町通りを進み徳願寺の手前まで。
お寺が連なる閑静な住宅街に響き渡るお囃子の音色と「ワッショイ」の歓声、秋空に映える獅子頭。
3年に一度しか見られない、活気みなぎる秋祭りの光景。
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近くの住宅のお庭に堂々と入り込み、獅子頭的お宅訪問のひととき。
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急に曲がってどこかへ行ってしまったと思ったら、なんと本塩豊受神社へ。
五ヶ町の祭り宮入りの地で、獅子頭が雌雄揃って「揉み」を行っているのが不思議な感じ。
でも宮入りする真似しても中には入れませんよ、神社違いだし。
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日が暮れるのが早くなったとつくづく実感するこの時季。
17時を過ぎて薄暗くなってきた空の下、再びバイパスを渡る獅子頭。
しかし復路となるとおとなしく前進しないものなのですよね。
渡りたくないと抵抗してみせるのがお約束。
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渡りきったと思いきや、なぜか歩みはラーメン屋へ。
どこからともなく「ラーメン食べにいくのかよー!」とツッコミ入れられ、担ぎ手も観客も爆笑、続いて「ラーメン!ラーメン!」と謎の掛け声。
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ローソン前では「ローソン!ローソン!」とこれまた謎の盛り上がり。
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ここまできたら宮入りの地妙典春日神社まであと少し。
このまままっすぐ進むのみですが、素直に行かないのが渡御の常。

途中寄り道しながらも、17時半頃には妙典春日神社前に揃って到着。
神社の前で「揉み」を披露。
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祭りのクライマックス宮入りを盛り上げるお囃子。踊りも絶好調。
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何度も何度も宮入りしようとしては戻される獅子頭。
そのたびに神社の前を離れては戻ってきて「揉み」を行うことの繰り返し。
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宮入りを試みてから約1時間後の18時半、先に宮入りしたのは雄の獅子頭。
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一足先に鳥居の前で安座し、雌の獅子頭の宮入りを待ち構えています。
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ところが雌の獅子頭も宮入りするかといえばそんなことはなく。
担ぎ手の気力体力の限界が試されるとき。
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鳥居をくぐろうとすれば止められる。
そしてまた担ぎ手たちはふらふらになりながら「地すり」「さし」「ほうり」と繰り返し。
延々と続くストイックな行為ではありますが、宮入りしたら祭りが終わってしまいますからね。
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そんなことを5回ほど繰り返していたでしょうか、雄の獅子頭に遅れること約30分、19時頃になってようやく雌の獅子頭にも宮入りのときが訪れました。
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最後に境内で雌雄揃っての「揉み」と三本締め。
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お疲れ様でした!
次回は3年後の2021年、年号が変わっても祭りの伝統は受け継がれていくはず。楽しみにしています。

妙典春日神社祭礼レポートはこちら : 2018年 2015年 2012年 2009年 2006年
妙典春日神社獅子頭修復お披露目レポートはこちら : 2023年

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