3年に一度開催される関ケ島胡籙神社の本祭。
コロナ禍による中止を経て6年ぶりに執り行われた今回は、神輿渡御がなく獅子頭の巡行のみ。
同日には下妙典春日神社も本祭。
獅子頭が町内を練り歩く祭りが奇しくも重なりました。
初の宵宮レポとあわせて付き合いください。
■多世代が集う宵宮のにぎわい
10月12日土曜日。
日の明るいうちから行われた宵宮は、子どもたちの歓声華やか。
境内は小学生以下対象のミニゲーム会場に変身。
翌日の巡行を控え拝殿に飾られた獅子頭。
後藤直光作の獅子頭は一尺六寸と妙典春日神社のものより小さめですが、瞳や眉などが金色に輝く姿から威厳を感じます。
向かって左側にいるのが雌(写真手前)、右側にいるのが雄(写真奥)。
見分け方は頭上に丸い宝珠を載せているのが雌、細長い角を載せているのが雄です。
巡行では獅子頭を直接持って担ぐため、壊れないよう耳は紐で縛られています。
ポイント貯めて駄菓子がもらえるミニゲーム3種。
缶積みやスリッパ蹴りといったシンプルな内容が意外と夢中になれてしまうのですよね。
拝殿挟んだ反対側ではグラウンドゴルフホールインワン大会。
ちびっ子たちとお年寄りの笑顔に満ちあふれた幸せな空間でした。
■旧江戸川沿いを行く獅子頭
一夜明けた10月13日の朝10時。
本祭が始まりました。
本祭では神輿渡御のルートを清める役目として獅子頭が練り歩くのですが、残念ながら今回神輿渡御はなし。
獅子頭が主役となりました。
担がれた獅子頭が参道を進み始めました。
いよいよ巡行開始です。
旧後藤神輿店の前を通過する獅子頭。
事業終了後何十年経っても、製作した獅子頭が現役で活躍する光景は感慨深いものがありますね。
バス通過にともない脇寄せして立ち止まる獅子頭の列。
すれ違ったのは京成トランジッドバスのおまつりバスという偶然。わっしょい!
雄の獅子頭の後を雌の獅子頭がついていきます。
胴幕を広げてのびやかに歩む獅子頭。
子どもたちも一緒に胴幕を持って進みます。
ラジカセからお囃子の音色が流れる中でのんびりと。
獅子頭は行徳街道から旧江戸川沿いへ。
台輪に載せられていないため、獅子頭の顎を直接掴んで巡行します。
常夜灯の下に辿り着きました。
秋空の下で行徳のシンボルと獅子頭の映える光景。
担ぎ手の方々はここまで休憩なしで疲れているはずなのですが、時折上下に裂く揺らして頑張っています。
行徳街道に戻った獅子頭は、旧浅子神輿店こと市川市行徳ふれあい伝承館の前を通過し、神輿みちを進んでいきます。
神輿とは異なる獅子頭の動き。
上下に激しく揺らし、広げた胴幕も波打たせて生きた獅子のごとく命を与えるかのように動かします。
出発から40分後ようやく休憩です。
心なしか無造作に並べられた気もしないでもない獅子頭。
いかつい顔していながらもどことなく愛嬌が感じられます。
巡行再開後しばらく経って雄雌の獅子頭はルートが分かれてそれぞれの道を歩き出しました。
ここでどちらの獅子頭も見失ってしまうという失態(インスタストーリー投稿に手こずってました)。
しばしのロスタイム後勘を頼りに探してみたら、再び出会えたのはなんと神社前。
雄雌の獅子頭が向かい合い、宮入りする寸前でした。
鳥居の前で神輿のようにもみの所作を行う獅子頭。
その後はキスするかのようにそれぞれの顎をくっつけ合います。
獅子頭を直接担いでいるからこその技。
予定よりも早く11時半には宮入り完了してしまいました。
お疲れ様でした。
■若い世代にも受け継がれてほしい地域の祭り
コロナ禍明け初となった胡籙神社の本祭は、神輿渡御が行われなかったこともあり1時間半の獅子頭巡行のみとなりました。
しかしながら終始アットホームな雰囲気で、町内のお祭りとしてつつがなく再開できたのがなによりもの喜びでしょう。
今回初めて宵宮から見学しましたが、子どもたちとお年寄りの距離が近くて微笑ましく感じました。
少子化などで関ケ島の子ども会もなくなったそうですが、子どもたちの歓声に包まれた宵山の様子を見ると、まだまだ元気な行徳地区だと実感できました。
次は3年後の2027年。
神輿渡御が復活するかは不透明ですが、いつまでもお祭りが続きますように。