耐震基準不足による閉館から5年。
運営元が千葉県から市川市に移管され、建て替えることになった行徳野鳥観察舎。
装いも新たとなってついにリニューアルオープンの日を迎えることができました!
■∞の建物に生まれ変わった行徳野鳥観察舎
グランドオープンの10月11日。
先んじて9月24日から施設入場はできたものの、本格的な始動はこの日から。
以前の鉄筋3階建てから、∞の形をモチーフにしたダークブラウンな木造2階建の建物に生まれ変わりました。
自然豊かな鳥獣保護区の景観に溶け込んだシックな外観です。
リニューアルオープンを機に新たな愛称が付与されました。
これからは「あいねすと」です。
公募により選ばれた新しい名は、市川市の「I」と「愛」、巣を意味する「ネスト」から名づけられれたそうですよ。
巣から顔を覗かせる鳥を表したロゴマークが可愛らしいですね。
■大きな窓が気持ちいい、木のぬくもりを感じるナチュラルな館内
それでは早速館内へ。
入口のすぐ左側にあるカフェスペース。
こちらからも外の様子をうかがうことはできますが、望遠鏡はないため野鳥観察するなら階上へ向かうのがおすすめ。
コロナ対策で使える座席が間引かれているのは仕方ないですね。
そのすぐそばのカフェコーナーでコーヒー販売しています。
訪れたときには完売でしたが、お菓子も扱っているみたいです。
観察スペースに持ち込んで、コーヒー飲みながら野鳥観察できますね。
ゆるやかな曲線を描く階段を上がり、∞の輪左側に位置する中2階へ。
中2階観察スペースでは、旧行徳野鳥観察舎時代の望遠鏡が設置されています。
往時を偲ばせる唯一のアイテム。
さらに階段を上がり∞の輪右側2階すぐの場所にある展示・休憩スペースへ。
ここには行徳の街の特徴や歴史などについて学べる写真パネルがずらり。
また奥には講座やイベントなど可能な多目的スペースもあります。
2階にも観察スペースが設けられています。
天井に届きそうな背の高い窓から鳥獣保護区の緑や水辺の様子を広々と見渡すことのできる、木のぬくもりが感じられる心地良い空間。
無料レンタルの三脚付き望遠鏡、あるいは手持ちの双眼鏡で遠くの水辺にいる野鳥を探してみては。
ということで、早速望遠鏡を借りて野鳥観察にいそしみます。
水辺にたたずむ2羽のアオサギと、行徳駅前通りに接するカワウコロニーに集う多数のカワウを発見することができました。
渡り鳥のシーズンには少し早いこともあって鳥の種類は少なめでしたが、秋の深まりとともにさまざまな野鳥が保護区内にやってくると、野鳥観察が俄然楽しくなるはずですよ。
ところで∞の輪の中はどうなっていると思いますか?
2階から中を覗いてみた様子がこちらになります。
少々狭めではありますが、中庭のような休憩スペースが設けられていました。
■リニューアルオープンを季節外れの河津桜がお祝い?!
様変わりした行徳野鳥観察舎とは対照的に、今までと変わらぬ自然の姿をみせる鳥獣保護区、と思いきやちょっとした異変が。
なんと丸浜川沿いの河津桜が狂い咲きしていました。
しかもたった一輪どころではなく、ほとんどの木に数輪ずつ咲いているような状態です。
つぼみもいくつかついています。
のんびり気ままに過ごす猫ちゃんとも出会いました。
ゴロンと横になって、ずいぶんと人慣れしていますね。
■令和の時代に蘇った行徳野鳥観察舎に幸あれ
新しい歴史を歩むことになった行徳野鳥観察舎あいねすと。
運営が市川市に移管されたことにより、地域性を意識したコミュニティスペースとしての性格が強まったように感じました。
それに対して野鳥に関する研究・教育施設としての位置づけがどうなるのか未知数に思えます(個人の感想です)。
野鳥病院や野鳥調査・研究などについては引き続き行徳野鳥観察舎友の会が行っています。
観察会などの催しも随時開催されているので、あいねすと訪問と合わせて参加するとより楽しいと思いますよ。
行徳野鳥観察舎 ※新観察舎「あいねすと」の情報
千葉県市川市福栄4-22-11
TEL:047-702-8045
9:00-17:00
月曜休(月曜日が祝日の場合は翌平日休)
野鳥病院・自然観察会についてはこちら→NPO行徳自然ほごくらぶ(旧:認定NPO法人行徳野鳥観察舎友の会)
行徳野鳥観察舎の地図
▼観察会レポートはこちら : 2013年4月 2006年6月
▼桜の花の観察会レポートはこちら : 2015年 2012年
▼旧行徳野鳥観察舎休館前最後の日レポートはこちら
▼旧行徳野鳥観察舎解体直前やちょかん祭りレポートはこちら
▼新しい行徳野鳥観察舎「あいねすと」オープン初日レポートはこちら