8年ぶりの浦安三社祭で浮き足立ってる6月15日ですが、浦安のお隣では行徳寺のまち回遊展とオアシス妙典プチマルシェが同時開催されました。
■オアシス妙典プチマルシェ
いつもは毎月第3日曜開催のオアシス妙典プチマルシェ。
6月は行徳寺のまち回遊展に合わせ1日早いオープンです。
開始直後の朝10時台から早くも大賑わい。
白いアジサイ(アナベルかな)がとても綺麗に咲いています。
お花やスイーツ、雑貨などの出店が魅力の屋外スペース。
毎回顔ぶれが変わるため何度訪れても飽きません。
プチマルシェ名物のキッチンカーは今回3台が出店。
イートイン派にはうれしい休憩スペースも完備です。
それでは早速キッチンカーグルメでブランチいきましょう。
ローストポーク温玉のせを、濃厚なタレで美味しくいただきました。
屋内ではハンドメイド作品や整体体験といったラインナップ。
行徳が誇る銘菓京山も出店していました。
干潟を表したものなど、地域性や季節感あふれる練り切りにうっとり。
壁に飾られていたのは、もともと後藤神輿店の外壁にあった彫刻。
上妙典八幡神社神輿庫からオアシス妙典へ移されたようです。
神輿のまち行徳の優れた技巧がリノベーション古民家にたいへんよく馴染んでいます。
■行徳寺のまち回遊展
続いて行徳寺のまち回遊展へ。
8年ぶり復活の今回は、8つの寺院公開と落語会やクラシックコンサートなどの催しが行われました。
最初に訪れたのはオアシス妙典に近い妙好寺(日蓮宗)。
山門前ではリサイクル食器頒布や花苗販売の出店があり、ちょっとした門前町の雰囲気。
切妻茅葺屋根の山門は、市川市内では貴重な江戸時代の建築様式を残す建造物として市川市有形文化財に指定されています。
ほかにも妙田地蔵尊や日蓮上人の立派な石像が見どころ。
行徳バイパスを越えて2箇所目の徳願寺へ。
山門へつながる参道はアジサイが見頃でした。
徳川家康の帰依により「徳」の字が与えられた徳願寺(浄土宗)。
鮮やかな赤色の山門のほかに鐘楼・経蔵が市川市有形文化財に指定されています。
今回は公開されませんでしたが、円山応挙や勝川春草画の幽霊画、宮本武蔵画の達磨絵といった貴重な寺宝も所蔵しています。
回遊展では本堂にてチェロコンサート開催。
リハーサル中の美しい音色が本堂から聴こえてきました。
3箇所目は長松禅寺(臨済宗)。
天文年間(1532~1555)の開山当時、塩田が広がっていた付近の様子にならい、塩場山という山号を名乗っています。
お寺にしては間口が狭く奥行きのある境内。
綺麗に手入れされた芝生や植栽を眺めつつ奥の本堂へ。
修繕工事中の本堂で座禅体験が行われました。
4箇所目は希少なキリシタン灯篭を有する妙覚寺(日蓮宗)。
房総唯一(現時点では2基確認されています)の希少な灯篭について、お寺の方から丁寧な説明をいただきました。
一見普通の灯篭なのに、これがキリシタン灯篭とされる由縁は下半分の形状。
竿上部のわずかなふくらみが十字架を模したものだと推測され、模様のような彫りは古い洋文字ではないかとのこと。
また竿下部には靴を履きマントをまとった人物が彫られ、その部分は長いこと土の中に隠されていました。
発見の経緯も第二次世界大戦後に神のお告げといって現れた人物がきっかけというからミステリアス。
本堂公開ではお題目を唱えるときに使う団扇太鼓などの展示。
日蓮宗の法要では欠かせない道具です。
5箇所目は春先のしだれ桜が美しい円頓寺(日蓮宗)。
6月中旬の今は青葉茂るみずみずしい姿をみせています。
本堂では写経体験が行われました。
妙覚寺から8箇所目の徳蔵寺までは権現道に沿って歩いていきます。
住宅や寺院が密集する現在の様子からは想像もつきませんが、権現道は徳川家康が東金への鷹狩りに通ったとされる道。
折れ曲がった細い道には石垣が敷かれています。
6箇所目は浄閑寺(浄土宗)。
門前に建つ六角塔には仏教の輪廻思想に基づく六道が彫られ、六地蔵はこれら六道の世界で苦しむ人々を救うといわれています。
訪れたときは三遊亭楽八さん落語会の終了直後。
大勢の観客がお寺の外に出てきた瞬間でした。
鑑賞時間に間に合わず残念、またの機会ですね。
7箇所目はキッチンカーでおなじみ本久寺(日蓮宗)。
行徳寺のまち回遊展にも3台のキッチンカーが集結です。
飲食休憩スペース探しに苦労しがちな寺町めぐりにおいて、とてもありがたい存在です。
本日のスペシャルゲスト、市川市ご当地ヒーロー激神ザンドー。
暑さにくじけず街のみんなに元気を与えるべく奮闘中。
立ち姿カッコいい!!
本久寺のアイドルミック君は木陰でのんびり。
梅雨入り直後の晴天でかなりの暑さ。
そろそろ熱中症に気をつけなければならない季節です。
休憩を兼ねて市川市行徳ふれあい伝承館にも立ち寄りました。
市川市制90周年記念の顔ハメ看板が登場です。
行徳地区の名所がふんだんに描かれた絵柄。
設置場所の地域ごとに看板のデザイン異なるそうです。凝ってますね。
旧浅子神輿店の建物が前身の市川市行徳ふれあい伝承館。
行徳神輿の歴史を語るに欠かせない後藤神輿についても紹介されています。
発掘された100年前の銀板写真が物語る後藤神輿についての著書「後藤神輿とその時代」は、発掘解析のワクワク感も味わえる郷土資料で激しくおすすめ。ぜひ読んでみて。
行徳寺のまち回遊展もいよいよ最後、8箇所目の徳蔵寺(真言宗)に到着です。
鐘楼の隣に建設中の建造物は、お経を納めるための経蔵とのことでした。
本堂では住職主催の仏画教室にちなんだ仏画展を開催。
仏画の精密さに魅了されるとともに、習得までいかに長い道のりを経る必要があることも知りました。
■祝復活!これからは定着にむけて前進を
7年ぶりに復活した行徳寺のまち回遊展。
告知機関が短めだったのと、以前のように神社での催しがなかったこともあり(行徳神社めぐりがありますものね)、人出は残念ながら少なめでした。
しかしながらゆったりと巡ることができ、さまざまな宗派のお寺それぞれの情緒を感じることができたのは幸い。
じっくり説明を聞くことができるのも公開イベントならではの特典ですね。
ウォーキングルートとしても最適な行徳のお寺めぐり。
たくさん歩いていい運動になります。
せっかく復活したのですから、定着したくさんの人が参加するようになるといいですね。
▼行徳寺のまち回遊展レポはこちら:2024年
寺のまち回遊展レポはこちら:2017年 2016年 2015年 2014年 2013年 2012年 2010年
行徳回遊展 秋レポはこちら:2018年
妙典街回遊展レポはこちら:2013年
行徳街回遊展レポはこちら:2007年
▼市川市による行徳の歴史紹介はこちら