4年に一度開催される押切稲荷神社の祭礼。
本来ならば2022年に実施されるはずでしたがコロナ禍により中止。
前回から6年の時を経てようやく催される運びとなりました。
しかも今年、神社祭礼で行徳神輿を担ぐのは押切だけ。
特別感を抱きつつ当日はSNS祭り実況に励みました。
■宵宮は神輿担ぎの熱血指導
夕方過ぎても半袖1枚で過ごせるほど暑い日だった10月19日土曜日。
翌日の本祭を前に宵宮が行われました。
子ども向けのゲーム大会に始まり、長寿会の方々が歌や踊りを披露した演芸大会。
のどかな雰囲気の宵宮です。
拝殿に陳列された黄金の獅子頭。
2021(令和3)年の初午祭で初披露された後藤直光作。
祭礼で飾られるのは初となります。
子供神輿と並んで安置されている宮神輿。
平成初期以降レンタル神輿での渡御が行われていた押切稲荷神社祭礼ですが、2018(平成30)年に後藤神輿店から譲渡された神輿を宮神輿として担ぐようになりました。
大正時代に作られた後藤直光作の神輿は製作当時の貴重な技巧が随所にみられます。
一昨年新たに駒札周りの装飾が施され、より凝った神輿へと進化しました。
演芸の後は神輿実演講習会という名目の担ぎ方特訓。
御仮屋から宮神輿が出されました。
行徳神輿には欠かせない「もみ」。
今年の神社祭礼では唯一の機会とあって気合もひとしお。
マイク越しに叱咤激励飛び交う熱血指導。
ここで初めて知ったのですが、押切の掛け声は「わっしょい」だけなのですね。
他の町内とは違うぞとのプライドと熱い思いが感じられました。
本番ではないため担ぎ手の服装もさまざま。
町名が入った法被やTシャツ姿の方もけっこういます。
このことからわかるように、参加者はほぼ周辺含む町会や神輿会関係者ですね。
広く一般から担ぎ手ほしいところですが、難しい点もあるのでしょうね。
また先週の妙典や四ヶ村の湊のような女性への担ぎ手解禁は見送られ、押切では男性のみが担ぎます。
押切の白装束に身を包んだダッフィーが神輿担ぎ特訓を見守っていました。
■6年ぶりに行徳の街をゆく宮神輿
翌20日の日曜日は6年ぶりの神輿渡御。
前日の暑さから一転、長袖に羽織ものが必要なほどの寒さの中行われました。
朝の御霊入れからひたすら町を練り歩いていた宮神輿。
当ブログでは午後からのレポとなります。
14時を少し過ぎた時点の宮神輿。
神社近くの庭先での休憩を終え渡御再開するところでした。
ここから旧江戸川沿いを経て夕方行徳駅方面に向かうルートです。
行徳駅前通りへ出ようとする宮神輿と阻止する音頭取り。
旧江戸川の堤防へ出る直前、狭い路地で突如始まった「さし」「ほうり受け」。
神輿通すのもやっとな幅だというのに驚かされます。
ほんの少しだけ旧江戸川沿いを進む宮神輿。
時折もみを挟みながら、行徳バイパスに向かう途中の住宅街を抜けていきます。
担ぎ棒を極限まで下げ、いかに地面まで近づけることができるかが見せどころの「地すり」。
片手で神輿を差し上げる「さし」。
担ぎ棒は縦4本横2本の計6本。
横の担ぎ棒と神輿の周りを囲む縦の担ぎ棒は、溝が彫られた丸太のような形状です。
もみのクライマックス「ほうり受け」。
他の町では「よいよいよーい、よよいのよーい!」ですが、押切は「せーの、よーい!」。
何度か耳にするまで、撮影タイミング合わせるのが難しかったのはここだけの秘密。
16時過ぎ、行徳バイパスを越えて西友行徳店の前に現れた宮神輿。
いよいよ行徳駅に近づいてきましたね。
東西線高架下を抜けた宮神輿は行徳駅前の交差点へ。
ここでも激しい攻防が繰り広げられます。
このルート、七中開催時代の行徳まつりを思い出してたいへん懐かしい。
(2014年までの行徳まつりは七中~西友行徳店~行徳駅のルートでした。)
16時半、宮神輿がついに行徳駅へ到達。
妙典駅では禁止された駅構内突入チャレンジが、ここでは行われるのか?!
当たり前ですが駅構内には入れません。
しかしながら何度も侵入しようと試みられ、そのたびもみくちゃになる光景は迫力あります。
行徳駅に宮神輿が現れたのは、前回押切稲荷神社祭礼以来8年ぶり。
差し上げた宮神輿は高架の天井に届きそうな勢い。ぎりぎりです。
それにもかかわらず「ほうり受け」も行うとは。
鳳凰をぶつけることなく、まさに神業な動き。
行徳駅周辺を練り歩く宮神輿。
翌週開催予定の行徳ハロウィンの旗がはためいています。
振り返れば前回6年前にはマツキヨもy’s martもありませんでしたよね。
銀行店舗削減の時流には逆らえず、三菱UFJ銀行に続き先月には三井住友銀行まで閉店(正確にはソコラ南行徳へ移転)してしまいました。
東西線高架下を抜けて宮神輿の歩みはポニー裏から駅前通りへ。
そろそろ日没に近づきつつあります。
日没過ぎて宮神輿にLED照明が灯されました。
これからの渡御はライトアップされた宮神輿とともに。
押切では初の宮神輿ライトアップ。
行徳地区でも新井に続き2箇所目の光る神輿誕生です。
夜空に輝く鳳凰がとても綺麗。
行徳バイパスを越えて宮神輿は行徳街道へ。
押切稲荷神社の鳥居は行徳駅前通り側にはなく、神社裏を通過して参道を目指す形。
時折バスや乗用車を避けつつ、もみを行います。
横並びの提灯が宮入り地点の目印。
行徳街道から参道にはいった時点で宮入りとみなされます。
入りそうで入らず、未遂となるたび幾度となく繰り返されるもみ。
30分以上もの攻防を経て、ついにその時が来たようです。
時刻は18時50分をまわっていました。
鳳凰をぶつけないよう慎重に鳥居をくぐって境内へ。
宮神輿の帰還を待ち構えていた大勢の観衆が見守る中、祭りの終了を惜しむかのように何度となくもみが繰り返されます。
きっと担ぎ手の方々は寒さと疲れで限界値超えてるはずなのに。
神輿が拝殿の前に移され、御霊還しの神事が始まりました。
時刻は20時近く、ついに祭りは完結。お疲れさまでした!!
■行徳駅周辺での神輿渡御は希少
6年ぶりの押切稲荷神社祭礼。
もともと4年おきなのに加え、前回2018年も8年間のブランクを経ての実施だったことから、行徳地区の他の祭礼よりもレアな存在ともいえます。
また今後行徳まつりが南行徳開催で定着するようなことになれば、押切の祭礼が行徳駅近くで見ることのできる唯一の神輿渡御になる可能性も。
次回開催予定は4年後の2028年。
また行徳駅に宮神輿が現れるところを見たいです。
▼押切稲荷神社祭礼レポートはこちら :2024年 2022年は中止 2018年 2014年は中止 2010年
▼押切稲荷神社初午祭(獅子頭初披露)レポートはこちら :2021年
▼行徳神社めぐりスタンプラリーレポートはこちら :2020年
(後藤神輿店から寄贈された神輿と看板について記載)