本来ならば4年に一度行われるはずの押切稲荷神社祭礼。
しかし前回2014年は東日本大震災の影響による押切自治会館建て替えのため中止の憂き目に。
したがって2010年以来8年ぶりの開催となります。
そのせいか今回の押切稲荷神社祭礼は宵宮からアツい!
■行徳の夜がものまねライブで大盛況!
10月6日、幸いにも台風の進路がずれてお祭り日和となった土曜の夜。
前夜祭にあたる宵宮では、建て替えられて立派になった自治会館を舞台に奉納演芸大会が行われました。
踊り披露やカラオケ大会などの演目を経て、今回はスペシャルなお楽しみも。
20時になりました。
人口密度の急増した境内で今か今かと待ちわびるたくさんの観客。
押切稲荷神社祭礼宵宮の目玉、坂本冬休み特別公演のはじまりはじまりー!
芸名から容易に想像つくと思いますが、坂本冬美さんのものまね芸人さんのショーです。
冬美から冬休み、いいネーミングセンスしてる(笑)。
それにしてももの凄い人、人、人!!
かつてないほどの観客が境内に集まっています。
ものまねレパートリーはたいへん幅広く、クレヨンしんちゃんや由紀さおりさん(由紀さそりとも名乗ってるらしい。笑)など老若男女が楽しめるネタを披露されていました。
ちなみに写真はMISIAのものまね。ポイントは髪型と横向きシルエット。
一人何役もの声色使い分け技とギャグが光る、ひとりザ・ベストテンやひとりサザエさんなど、お笑いとしての構成もお見事。
浦安に在住していたことがあるという坂本冬休みさん。もちろん行徳にも足を運んだことがあるそう。
少しだけ地元ネタを織り交ぜながらのフリートークも楽しい。
観客席に飛び出してさらに上がる境内のテンション。
クライマックスは美空ひばりさんのものまね。
お祭りマンボの掛け声は「ソーレソレソレ押切だぁーーーっ!!」
宴のあとの静けさを取り戻した押切稲荷神社境内。
祭りの華やかさも加わって、先日猛暑の中訪れた日中の境内とは違う表情ですね。
賽銭箱に載せられた招福狐がちょこんと可愛い。
摂末社のご開帳は祭りのときだけでしょうか。外観からは想像つかない世界が広がっていました。鳥居には弁財天の札。
■8年ぶりの神輿渡御は後藤神輿製の大人神輿が仲間入り
翌7日の日曜日は本祭。
午前中に御霊入れと宮出しが行われ、午後はいよいよ8年ぶりの神輿渡御。
昼休みでいつもの静けさを保つ押切の路上。
午後からの神輿渡御を前にたたずむ宮神輿。
意外なことに押切稲荷神社では大人神輿を所有していなかったそうですが(前回祭礼の記事を見ると中台神輿店の神輿を担いでいましたね)、今回より廃業した後藤神輿店から寄贈された神輿を担ぐことになりました。
後藤神輿の大きな特徴は施された彫刻の素晴らしさ。
彫刻師をルーツとした後藤直光の代々受け継がれてきた技が、神輿の中に凝縮されているのです。
鳥居に龍が巻きついているものも多いのですが、この神輿ではシンプルな鳥居。
さて16時を過ぎて神輿渡御の一行はバイパスを渡り行徳の街中へ。
西友の前や横断歩道前の路上で立ち止まり、行徳揉みを披露することしばし。
駅前通りの交差点でなぜかせめぎ合い。
前進しようとする担ぎ手の動きを阻止する者たち。
七中開催時代の行徳まつりを思い出しますなあ。
ちょっとした攻防セレモニーの後、行徳駅の改札前へ。
ここでも行徳もみを披露いたします。
まずは地面すれすれに神輿を近づける「地すり」。
★
続いて片手だけで天高くに神輿を突き上げる「さし」。
「ヨイヨイヨーイ」の掛け声とともに神輿が2回空を舞う「ほうり」。
駅の乗降客に神輿渡御ご一行と神輿見物客が加わり、カオスな様相を見せる行徳駅前。
行徳まつりの神輿渡御ルートが行徳駅改札前を外れてからの年月が経過し、押切稲荷神社祭礼も久しぶりとあって、この光景を見たことない方も増えたことでしょうね。
行徳駅の改札前で神輿が見られるのはたいへん珍しいですよ。
なお妙典の春日神社祭礼(14日の日曜日に開催予定)の獅子頭とは異なり、押切の神輿は改札突破チャレンジはせず。
駅前ロータリーに移動しても祭りの熱気は冷めやらず。
響き渡る掛け声とともに、大きな歓声と拍手が起こっていました。
ここでUターンして、行徳駅前付近を一周する神輿。
膝を折り曲げ腰を低くし、後ろ手に掴んだ担ぎ棒を限界まで下ろす「地すり」の動作。
今にも地面に着きそうな、わずか数十センチのところで止めなければならないからその苦労たるものや。
先ほどとは異なり、意外にもバイパスはあっさりと通過。
ここまでくると押切稲荷神社までは目と鼻の先なのですが、そう簡単に宮入りしないのが神輿渡御のお約束。
真夏のような暑い空も、日が沈みかけるとともに涼しい秋の夕暮れ空へ。
神輿渡御はまだまだ続きます。
18時を過ぎ完全に日が沈んだ行徳の空。
押切稲荷神社の前を通過して旧道へ進んだ神輿は、提灯が飾られた門の前で行徳もみ。
ちなみのこの場に遭遇したバスや自家用車はしばらくの間停車することになります。
この門をくぐって宮入りするそうで、進もうとする者と阻止する者とで激しいせめぎ合いが始まりました。
一度では宮入りしないのが当たり前なので、再びこの場で「地すり」からやり直し。
3、4回繰り返されたでしょうか、とうとうその時がやってきました。
神輿を取り囲む荒々しい動きともに湧き上がる大歓声。
鳥居をくぐりぬけ、神輿は境内の中へ。
ここで終了というわけではなく、何度となく繰り返される「地すり」、「さし」、「ほうり」の動作。
おそらく担ぎ手の方々も最後の力を振り絞っているのだと思います。
8年越しとあって待望の本祭りであった今回の押切稲荷神社祭礼もこれにて終了。
三本締めと拍手の後、音頭取りの方が担ぎ手の皆さんに胴上げされていました。
まるで行徳神輿を揉むように、回転させてからの胴上げとは斬新な。
次回の押切稲荷神社祭礼は4年後の2022年。
関係者の皆様お疲れ様でした!
▼同日開催の関ケ島胡籙神社祭礼レポートはこちら
▼押切稲荷神社祭礼レポートはこちら :2024年 2022年は中止 2018年 2014年は中止 2010年
▼押切稲荷神社初午祭(獅子頭初披露)レポートはこちら :2021年
▼行徳神社めぐりスタンプラリーレポートはこちら :2020年
(後藤神輿店から寄贈された神輿と看板について記載)