日蓮宗のお寺さんで毎年秋の夜に万灯行列が繰り広げられるという話を聞いたことがあり、以前よりぜひこの目で見てみたいと思っておりました。
11月12日に浦安の正福寺で行われるというので、初めて行って参りました。
お会式(御会式)とは?
日蓮聖人の命日である10月13日を中心に、主に日蓮宗の寺院で行われる法要のことを指します。
日蓮聖人入滅の霊跡として知られる池上本門寺では、毎年10月11日から13日にかけて行われ、12日夜には各所から集まった万灯講中による万灯練供養(万灯行列)で知られています。
他の日蓮宗の寺院では必ずしもその日に行わなくてはならないわけではなく、ここ浦安の正福寺では11月12日に開催されます。
法要のみ行われていた時期もあったそうですが、平成9年より万灯練供養が復活いたしました。
11月12日の夜6時過ぎ。
正福寺を後にした万灯講中は庚申塔にてしばしの休息。
庚申塔の前では、行列の時を待つ万灯が夜空を照らしていました。
夜の庚申塔には初めて来ました。
今日は周辺賑やかですが、それでも昼間とは異なり厳かな佇まいを感じます。
出発の時を待つお囃子の山車。
正福寺お会式のポスター。
昼間はスティールバンライブが行われていたらしい。行きたかったー。
さて出発です。
纏・団扇太鼓・鉦(かね)・笛・万灯からなる万灯講中。
お題目と独特のリズムを刻む音色が響き渡る中、暗闇に映える万灯が練り歩く様子は、どこか幻想的でもあります。
庚申通りを南下し新中通りを過ぎたあたりで引き返し、いったん庚申塔に戻って休憩。
県内各地からの万灯も加わり、一挙に華やかな景色となりました。
万灯に施されたピンク色の花飾り。
その由来は日蓮聖人が亡くなった際、庭のしだれ桜が季節はずれの花を咲かせた故事からきています。
万灯の形も寺院や団体ごとに異なります。こちらは精密な木彫りの五重塔。
妙典にある茅葺き山門のお寺、妙好寺の万灯。
手描きの絵は日蓮聖人や蓮の花など。
こちらの万灯は龍の絵が描かれています。
万灯行列再開です。
正福寺の他に8団体が参加した今年のお会式。
今年より万灯行列を中止した妙典の妙好寺も、万灯講中として正福寺お会式に参詣しています。
正福寺の万灯講中。
境川を渡る前の上り坂は難所。
清瀧神社の前を通過する万灯行列。
フラワー通りを通過する万灯行列。正福寺到着まであと少しです。
正福寺へと続々到着する万灯講中。
妙好寺の万灯講中も到着しました。
お囃子に合わせて踊るひょっとこ。
日蓮聖人のいわば法事といえる催しではありますが、お祭り的要素も多々ありますね。
ちなみに頭に巻いてるバルーンは、庚申塔のあたりでふるまわれていたもの。ゆるいねえ。
正福寺ではあら汁の無料ふるまいも。
感謝の意を抱きつつ美味しくいただきました。
東北復興市やピザの販売も。
お寺でピザを食べるのは不思議な気もいたしますが、主に墓石を製作している石材屋さん手作りの石釜で焼きたてが食べられるというからくり。
九条ネギと海苔がたっぷりかかった和風のピザを注文しました。
若いお坊さんが綿菓子作りに精を出していました。いい笑顔ですね。
お坊さんと話そうという対話コーナーも設けられ、お寺さんとの距離の近さに好印象でした。
行列を済ませ正福寺へ戻った万灯が並ぶ様子。
闇夜に突如現れた花園のようでたいへん綺麗です。
万灯講の必須アイテムのひとつ団扇太鼓。
バチを用いて叩き、法華経のリズムを整えます。
正福寺お会式オリジナルの幟。
到着後参拝を済ませた後、元気良く纏を振る一行。
まだまだお会式は終わりません。
▼正福寺の地図