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上妙典八幡神社祭礼|圧巻!行徳最重量級の千貫神輿

上妙典八幡神社祭礼|圧巻!行徳最重量級の千貫神輿

平成初期にいったん途絶えた後、平成23(2011)年のお披露目会にて復活を遂げた上妙典八幡神社の神輿渡御。
平成26(2014)年の本祭より3年おきに催されるようになりましたが、令和2(2020)年は新型コロナウイルスの影響により中止。
コロナ禍が明けた今年、6年ぶりに行われました。

はじまりはオアシス妙典から

連休中日の10月8日日曜日。
午前中の中神輿に代わって午後は大神輿の渡御が始まろうとしています。
予定通り14時にオアシス妙典から出発。

それにしても担ぎ手の皆さんほんと重たそう。
他の町の宮神輿に比べても段違いの重量を誇るだけあります。

オアシス妙典前の旧成田街道を何度も往復する神輿渡御。
氏子地区は妙典1・2丁目、この一本道においては片道わずか300mほどの距離しかありません。

大神輿が出発し静けさを取り戻したオアシス妙典。
渡御を終えた中神輿が鎮座しています。
オープン1周年を迎えたオアシス妙典は神酒所としても大活躍。
関係者の方々にとってもオアシス妙典の存在感は大きいですよね。
再生された古民家が地域の歴史と現在をつなげる役割を果たしているのは、たいへん素晴らしいことです。

オアシス妙典では模擬店の出店もありました。
日本の神社のお祭りとのギャップを感じるあか抜けた装い。
宵宮でも模擬店出店はないため、ここが唯一の模擬店出店です。
ここで婦人会のお手製豚汁いただきました。

行徳では異色の存在千貫神輿

非常に重い上妙典の大神輿。
「地すり」や「さし」は行いますが、さすがに「ほうり受け」はやりません。
どっしりしたフォルムの大神輿が空に向かって差し上げられる様子は迫力ものです。
片手で差し上げているのも圧巻。

妙典3丁目との境界に差し掛かったあたりで、「地すり」を行う担ぎ手の周りに砂が撒かれ始めました。
この砂はお清めの砂であると同時に、担ぎ棒を持つ手の滑り止めとしての役割も果たしています。

中神輿は祭礼初の男女混合担ぎ

午前中に巡行していた中神輿が午後も改めて練り歩き始めました。
台輪寸法二尺の中神輿は製作年代不明ながら後藤直光作。
市川市行徳ふれあい伝承館に展示されていたものが上妙典に寄贈され、昨年の妙典まつりで初めて渡御が行われました。
上妙典八幡神社祭礼での渡御は今回が初。
しかも担ぎ手が男女混合なのも上妙典で初めてのことです。
人手不足とジェンダーレスの影響ここにあり。

オアシス妙典付近は木造家屋が並ぶ一画。
差し上げられた神輿が加わると絵になりますね。

台輪寸法二尺の中神輿。
千貫神輿というわけではないので「ほうり受け」も普通に行われます。

中神輿は間もなく路地に入り、一足早い宮入りを済ませました。

千貫神輿の宮入りにむけて

さて大神輿はというと、担ぎ棒付近で何か作業していますね。

おもむろに取り外されてどこかに運び込まれていく担ぎ棒の数々。
なんと行徳最重量神輿の担ぎ棒が、この時点以降わずか2本に。
神社への参道が狭いため、宮出しと宮入りは二天棒で行われるのです。

上妙典の宮神輿は昭和3(1928)年に地元の宮大工が製造し、後藤直光により装飾が施されたもの。
大きさの勝る五ヶ町の御輿よりもはるかに重く造られています。
台輪寸法は四尺一寸、神様の乗り物である神輿の重量は計測できないため推測ですが、形容詞通り千貫だとすれば3t以上あることになります。
このような重量級神輿が製造された背景として、神輿は重いほどよいとされた昭和初期の価値観が挙げられます。

ただでさえ身体に堪える千貫神輿。
担ぎ棒が減ってしまったら当然心身の負担は増大。
他の町より担ぎ手の数が多いとはいえ限界間近なはずです。

二天棒の状態で千貫神輿を地面すれすれまで下げているのを見ると、ハラハラしつつも応援したくなります。

行徳神輿お約束の路線バスとのすれ違いも、ここでは水色のわくわくバス。
しかも本数少ない千葉県立現代産業科学館行きの路線なので、レアな光景といえるでしょう。
さすが行徳最重量級の神輿、路線バスと遜色ない大きさですね。

16時半の少し前、まだ日は落ちる前ですが大神輿も宮入りを済ませました。
皆さん本当にお疲れ様でした!

新たな拠点とともに継承される祭り

長期間の渡御中止からせっかく復活を遂げたというのに、コロナのせいでまた中止。
しかしそれから3年、再び復活できて感無量です。
その間にオアシス妙典がオープンし、町の様相も少しずつ変化しています。
新たな拠点が加わったことで祭りがどのように進化するか、これからも楽しみです。

次回の神輿渡御は3年後の2026年。
滞りなく開催されますように。

上妙典八幡神社祭礼レポートはこちら :
2023年 2017年 2011年

※2020年は中止・2014年は神輿渡御が行われましたが未取材。

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