浦安といえば「青べか物語」の舞台。
今では想像もつきませんが、かつては江戸前を支える豊かな漁場として栄えた町でした。
元町地区と呼ばれる堀江界隈では、少しですがその当時の名残が見られます。
それでは元町地区の代表的なシンボルを紹介したいと思います。
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◆旧大塚家住宅 ※千葉県指定有形文化財
浦安駅から10分ほど歩き、記念橋という橋を渡った川沿いにある旧家。
茅葺きのまま保存されていることに感動しました。
出入りはこちらから→
漁業と農業を営んでいたという旧大塚家は、江戸末期の建築と推測されています。
建坪27.5坪と、当時の漁家としては比較的大きなものでした。
説明板によると、千葉の漁家できちんと保存されているものは少数だそう。
浦安の民家は、境川に近いほうに土間が作られているのが特徴です。
これは飲料水や生活用水として、境川が大きな役割を果たしていたからといえます。
床の間のついた8畳間の座敷。 縁側の向こうには小さな庭が見え、落ち着いた空間です。 広い土間とは別に、座敷と直接つながった玄関が設けられています。 |
土間と隣接した板の間は、生活や仕事の場として使用されていました。 ちゃぶ台の隣で、おじいさんと子供(もちろん人形)がせっせと作業中。 おじいさんが海苔網の手入れをするかたわらで、子供が海苔簀(のりす)を編んでいます。 |
土間には網や櫂(ケエ)など、漁に使う道具が展示されていました。
また天井近くには、小屋裏への小さな穴が開いています。
これは度重なる洪水から家財や身を守るため、避難場所として設けられたものです。
ところでこれ、何だと思います?
実は今でいう米びつなのです。
前面にはめ込まれた板には数字が書かれており、これで残量を把握していたそうです。
旧大塚家住宅
〒279-0041 千葉県浦安市堀江3-3-1
TEL:047-354-5846
開館時間:10:00~16:00
休館日:月曜(月曜が祝日の場合はその翌日)・祝日の翌日・12/27~1/4
交通:東西線「浦安駅」徒歩7分
またはバス4・5・8・9・12系統で「フラワー通り」下車徒歩2分
入館料:無料
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◆旧宇田川家住宅 ※浦安市指定有形文化財
フラワー通りに抜けると、間もなく2階建ての木造建築が見えてきます。これが旧宇田川家住宅。
明治2年に建てられた、建築年代が明確なものとしては浦安最古の民家です。
格子戸をくぐるとまた格子戸→
宇田川家は、江戸時代中期に名主の家から分家した家柄でした。
「藤村屋」という屋号で米屋・呉服屋などを営んだのち、大正時代には郵便局、戦後は医院としても使われました。
商家の建物は関東ではほとんど残っていないため、たいへん貴重なものといえます。
使用人をかかえるほどの規模だったため、2階建ての店舗兼住居は部屋数も多く、奥座敷や立派な中庭まであります。
中の間や奥座敷から見える中庭・・・素敵なひとときですね。
ところで、1F店舗部分の天井に小さな穴が開いてました。これはいったい何でしょう?
1F→2F(カムフラージュつき)
答は「覗き穴」。2Fにいる間、階下の様子を伺うためのものです。
穴の真下にある金庫をこうやって監視していたんですね。
面白いと思ったのが、入口の揚戸。
2Fの窓下に襖があるのに気がついたものの、地袋としては奥行きがなさすぎる。
襖を開けたら吹き抜けとなっており、1Fの土間が見えました。
実はこの吹き抜け、店の間の揚戸を収納するために用意されたスペースだったのです。
いわば昔のシャッターだったわけですね。
先ほどの覗き穴といい、昔の人の知恵に感心させられるばかりです。
旧宇田川家住宅
〒279-0041 千葉県浦安市堀江3-4-8
TEL:047-352-3881
開館時間:10:00~16:00
休館日:月曜(月曜が祝日の場合はその翌日)・祝日の翌日・12/27~1/4
交通:東西線「浦安駅」徒歩7分
またはバス4・5・8・9・12系統で「フラワー通り」下車徒歩2分
入館料:無料
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その他にも元町地区は見どころいっぱい。
次回の記事では、このあたりの界隈をもう少し紹介したいと思います。
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